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☆41
カナは深呼吸して、話し始める
「タケルさん?聞いて欲しいことがあるんだけど
いいかな?」
「何?」
カナは周りをキョロキョロして
なるべく人がいない方の展望へ歩き出した
タケルは後を付いて歩く
カナは夜景を見ながら話す
「あのね、タケルさん。驚くかもしれないけれど
初めて会ったあの日から私…タケルさんに惹かれて…」
「えっ?」
タケルは驚いて目を見開いた
「…私、振られたばかりなのに
こんなに直ぐ人を好きになってしまうなんて思って
いなくて、でも言わないと気持ちは伝わらない。
私は振られるの慣れてるから、今言わせてください。」
「ちょっと…カナ待って」
「ん?」
首を傾げて、タケルの方を見たカナ
「最後まで言ってはダメなの?タケルさん?」
「違う!!」
タケルはカナの手を握った
「えっ?」
今度はタケルが話し始める
「俺もカナと同じ気持ちなんだ。」
カナは驚いた
「タケルさんも?」
「あの旅行へ行って、旅館に泊まったあたりから
胸の奥が痛かったんだ、最初は何だか気がつかなかった
今日やっと自分の気持ちに気がついたんだ…」
遠くを見つめながら話していた
タケルがカナの方へ向いた
「カナのことが好きだ…」
ポロッ
カナは嬉しくて涙が溢れた
「ウソ…私だけが好きだと思っていた」
タケルはカナの手を引いて抱きしめた
そして耳元で話す
「最初は子供っぽい妹のような存在だったけど、
一緒にいるうちに違う感情が出てきて
放っておけないと思って、カナの行動がね。
これからカナのことを沢山知りたいから…」
「タケルさん…嬉しい…」
涙を流しながら顔をあげるカナ
カナを見下ろすタケル
「俺の彼女になってくれますか?」
カナの目からは涙が止まらない…
「は…はい、お願いします。」
どちらからともなく
二人は抱きしめあう…
綺麗な夜景を後ろにして
カナとタケルは微笑み
照れながら
唇を重ねた…
………
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