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不幸なことに、私と寛也は今年同じクラスだ。
寛也がガラッと教室のドアを開けてたので、私も奴に続いて教室に入る。
「はよー。」
「お、山内おせーな今日。」
「寝坊したー。」
人気者の寛也が登校すると、周りに人が寄ってくる。
私はそこから離れて自分の席に向かった。
「おはよう。今日もギリギリだね。」
光葉ちゃんが声をかけてくれた。
2年になってから特に仲良くなった彼女は、私の癒しだ。
「まあね、寒いし。」
最近、少し寒くなってきた。今年は例年より寒くなると噂で、冬を越せるか本気で悩んでいる。
「確かに、最近寒いよね。」
まだ11月なのに、と少し憂いを帯びた光葉ちゃんの声を聞き逃さなかった。
光葉ちゃんは先週まで、想い人の偽彼女をしていた。
私の勘では相手も光葉ちゃんを好きなように思えたが、約束通りに別れてしまったようだ。
それからの光葉ちゃんはなんだか空元気で、大丈夫なのか心配になる。
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