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「………まさか。フェイスブックもツイッターも分からないとか、言うんじゃないでしょうね………。インターネットの話ですよ、インターネットの!!」
あたしはとうとう声を荒げてしまったけど、寅吉は納得したように頷いた。
「あぁ、なるほど、パソコンの話でしたか。すみません、俺、昔から、電気関係のことには疎くて………」
「電気関係??」
寅吉がのっそりと頷き、電気苦手トークをはじめた。
「ええ、電気を使って動かすものは、全般的に苦手で。電池もちょっとつらいんですよね。なので、電池を使うものは身につけないし、極力家にも置かないようにしてるんです」
電池を使うもので、身につけるものなんてあるか??
あたしはちょっと考えこんでから、はた、と気づいた。
寅吉の手首には、腕時計がついていないのだ。
「え、まさか、時計とか………」
あたしが独り言のように呟くと、寅吉はすこし目を瞠って、「よくわかりますね」と言った。
「そうなんですよ。俺、時計って、どうしてもだめなんです。なんていうか、時計をつけているほうの腕が、だんだん重くなって、だるくなって、動かなくなっちゃう気がするんですよね。
それに、時計があると時間が気になっちゃって息苦しいので、家にも時計を置いてないんです」
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