第一章

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美紀も営業部に在籍していた頃は、接待と称して取引先の営業さんから 毎週のように、「お声」が掛かっていた。 意外なことに、うちは文具メーカーでありながら女子社員からの意見やアイデアを 積極的に取り入れて業績を伸ばしていた経緯もあって、女子社員には対応が甘かった。 取引先からすれば、今後の取引を円滑に進めるメリットと接待というより 若手だけの飲み会は、まさに合コンに違いなかった。 しかも、相手の在籍する会社は一流企業が多く、これが縁で結婚したケースも 珍しくなかった。
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