第二章

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美紀の言葉を無視して、「ピストン」を「シリンダー」の奥に入れると ゆっくり戻し、先端部分だけを「シリンダー」の入り口で小さく動かしていた。 「お願い。早く、早く往きたいの……」 「わかってますよ。でも、スタートしてすぐにエンジンの回転を上げちゃうと 故障の原因になりますから……」 それから、少しずつ回転を上げていくとピストンの動くリズムに合わせてエンジンの 音も、狭い室内に響いてきた。
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