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XXXX年
地球で最も大きかったと言われる戦争が終わった。
多くの核兵器や武器が使われた
多くの兵士が血を流した
多くの人が家族や恋人や友を失って、 大きな深い悲しみの底に落とされた
戦争が終わって5年後の月日が流れた
少しではあるが、世界は再建されつつある
けれども生き残った人々の心の傷が癒えることはなかった
爆弾によって破損したビルを寝所とする子どもたちがいた。 皆、親はいない。
子どもたちは、十分な食事ができず、次々と亡くなっていった
その子どもたちのなかで、1番やせ細っていて小さな背のムーンという少年がいた
名前は、1番年上のおにいさんがつけてくれた
いつも月ばかり見ているからだ
ムーンはずっと眠らなかった
皆がとても心配したが、眠ろうとしなかった
ある日、月が真っ赤な色に姿を変えて、ムーンに語りかけてきた。
「もう戦争は終わったんだよ。安心しておやすみ。」
ムーンは初めてみる赤い月の姿にみとれながら、ゆっくりとまぶたをとじた
もう戦争は終わった
もうこわい兵士がくることも 爆弾が落ちてくることもない
ムーンは、そのまま永遠の眠りについた
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