戦争が終わって

2/2
前へ
/2ページ
次へ
XXXX年 地球で最も大きかったと言われる戦争が終わった。 多くの核兵器や武器が使われた 多くの兵士が血を流した 多くの人が家族や恋人や友を失って、 大きな深い悲しみの底に落とされた 戦争が終わって5年後の月日が流れた 少しではあるが、世界は再建されつつある けれども生き残った人々の心の傷が癒えることはなかった 爆弾によって破損したビルを寝所とする子どもたちがいた。 皆、親はいない。 子どもたちは、十分な食事ができず、次々と亡くなっていった その子どもたちのなかで、1番やせ細っていて小さな背のムーンという少年がいた 名前は、1番年上のおにいさんがつけてくれた いつも月ばかり見ているからだ ムーンはずっと眠らなかった 皆がとても心配したが、眠ろうとしなかった ある日、月が真っ赤な色に姿を変えて、ムーンに語りかけてきた。 「もう戦争は終わったんだよ。安心しておやすみ。」 ムーンは初めてみる赤い月の姿にみとれながら、ゆっくりとまぶたをとじた もう戦争は終わった もうこわい兵士がくることも 爆弾が落ちてくることもない ムーンは、そのまま永遠の眠りについた
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加