命短し恋せよ男子

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階段を下りてると 「きゃっ」 目の前であの子が足を踏み外したみたいで落ちそうになっていた。 「あぶない。」 病み上がりにはきつい動きだったけどあの子が落ちなくてよかった。ほっとした瞬間体に異変を感じた。手足に力が入らないようなあの朝と似たような感覚。やばいと思って友だちに声をかけようとした瞬間目の前が暗転した。 気づいたら病院のベッドの上だった。ふと手を握られてる感じがして横を見るとあの子が手を握って寝ていた。驚いて声を出したらゆっくりと起きてしまった。 「おはよ」 なるべく驚かさないように言ったつもりなのにあの子は目があった瞬間に立ち上がり手をほどいて部屋を出ていってしまった。 ほどかれた手のさっきまでの温もりを逃がしたくなくて手を閉じてみるけどもう冷たく感じた。 廊下の方から走ってくる音が聞こえてきて扉が勢いよく開いたら母さんと先生のあとにあの子が入ってきた。あの子は先生達を呼んできただけだった。 先生からいろいろ質問され答えているとあの子が泣いてることに気づいた。 「どうして泣いてるの?」 つい聞いてしまったけど俺の一言で自分が泣いてることに驚いていた。俺が確かに生きてると実感していたら涙が溢れたと言われて凄く嬉しかった。 母さんにあの子の事を頼んで先生と話したけど俺は同じことが起こった場合今回みたいに起きるかはわからないそうだ。保証できないらしい。 このことは今回の当事者になってしまったからか、あの子も知っているらしい。
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