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“少年”の姿は首から下しか見えず、顔は靄もやにかかったようで、僕には思い出せなかった。
ただ、“恋”という名は頭にあるが、後は全て、頭の中からまるで水に流されたように、風に吹き飛ばされたようにしてすっぽりと抜けていた。
僕は…、ソノ“少年”のことを覚えてはいなかった──。
“少年”が名を呼ぶ、●と。
だがしかし、僕の耳にはその名さえも聞こえることはなかった。
『●、
お前のラプァンレタは…』
──ラプァン…、レタ、
『──ミストルァルタ
ミストルァルタだ…っ!』
──ミスト、ルァルタ…、
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