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「アルトリア様」
ソコに、壮麗で愛らしい女性の後ろで濃い色合いのドレスの女性が、壮麗で愛らしい女性に向かって声をかける。
「幼子を見つけましたわ…、
“羽城の血を持つ”、子供を…」
「ほぅ…、呪術師集団の手先からなんとか逃せた、“行方不明になった巫女”か」
「はい…。
……間違いなく、雲に覆い隠された月…、カグヤでございました。
月は地へと逃れ、無事、冥闇から隠せたようです。
…ですが」
アルトリアと呼ばれた白銀の壮麗な女性が振り向く。
「……雲隠れの月に、今再び、闇が迫っております…。
お早く、お早く動き出さねば……!
”アノ子供”が…、再び呪術師の手に堕ちてしまう…っ」
赤と青の瞳で濃い色合いのドレスの女性を見つめると、アルトリアと呼ばれた白銀の壮麗な女性は再び泉に視線を戻す。
もうソコには、“呪術師の手先”と呼ばれた長い黒髪の長身の男性の姿は無かった。
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