苦いようです

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ーーーー きっとこれは朝なのだろう、と目覚めた僕は後方へと流れ行くカーテンの日差しを眺めぼんやりと思った。 着ている服は何年も前から使用しているパジャマ。 それも紺に、ところどころヒヨコが舞うファンシーな物だ。 と、そんなことはどうでもいい。 問題なのは、何故か敷布団が寝室ではなく、玄関にあること。 そして敷布団と共に僕を引きづる割烹着姿の女性だ。 驚き暫し思考が固まったが、取り敢えずと声を掛けてみる。 (´・_ゝ・`)「おはようペニサス」 ('、`*川「おはようさようなら」 無愛想に返し、ついに下駄箱の横へと僕を転がす。 布団があるとはいえ、尻が痛い。 というかカラダ全体がところどころ痛い。 少しムッとした僕は、多大な労力により息も絶え絶えなペニサスを観察した。 華奢な彼女だ、休み休みでないと成人男性である僕を引っ張れないだろう。 その引く一瞬を見計らい、掛け布団から飛び退いた。 すると彼女が開かれた戸へと消えていった。 形容しがたい――敢えてするなら、うわぁ??とかそんな感じの――声をあげた彼女に敬礼。 そのまま起き上がり居間へと足を進める。 (´・_ゝ・`)「ふむ」 配置は微妙に変わっている。 まぁ3年もすれば、多少は変わるものだという自答。 早速旧時代の小さな鈍色のやかんに火をかけて、インスタントコーヒーの粉末を愛用だったカップに入れる。 ふむ、懐かしい。 取り敢えず奴には煎茶かと、愛用の湯呑みに急須を用意する。
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