第四話 第五話

2/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
第四話 わぉーーん 犬の遠吠え きこえる 都の烏丸近く 夜更けの道を 二人 巡回する 源 雷禅と、弓月丸。 さて そこより少し 離れた場所 瑞江邸 瑞江三位 従者共々 どこぞの 女性宅へ 出かけているようで 邸内は 門番二人 数名の衛士が 詰め所に いるようだが 寝入っていますね そこへ 何やら 奇妙な 板切れのような 得体の知れぬものが。 門番たちに 近寄るわ いきなり ばさっ!っ と 殴りかかり 二人とも 倒されてしまいました。 この板切れは なんだ? よく見てみると 二つの目のようなものが あり 自在に 動く もののけのようで。 板切れは 隙間から 門内に入り 内側から 開けてしまいました。 その門の 外には 今度は 真っ赤な着物を着た稚児が十数名 中を伺い 入って行きます。 いったい なんなんだ こいつらは? 下弦の月に 少し その稚児たちの顔が 照らしだされて もし それを見たものがいたら 腰を抜かし 気絶するのではないでしょうか? なんと皆 頭に二本の角を生やし 割けた口からは 牙が覗く 紛れもない 鬼 でした。 先ほどの 板切れにも 角が生えていて 板鬼?とでもいうのか。 そして かの板鬼 次は 邸の扉の隙間から 中へ入り 扉を開け放ち 稚児鬼たちを 中へ 招き入れています。 その時! しゃきーん !と 鋭い音が響くや 板鬼 真っ二つに 斬り落とされました。 「なんだ?」「板鬼どうした?」と 問う 稚児鬼たち。 その眼前には なんと! 見目麗しき 美姫 「なにやつじゃ?」と 凛とした 美声で 言い放つは 小太刀を 颯爽と 構えた 美鈴姫。 さあ どうなる?
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!