第1章

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僕が13歳になった時、両親が死んだ。 いつものように、「おやすみ」と挨拶をして自分の部屋に行く。当たり前の毎日。 この時、まさか、僕の発する「おやすみ」が、人を殺すなんて思いもよらなかった。 いったい誰がそんな事を思うだろうか、誰も思わない、思うはずもない。 両親を同時に失って、親戚の家にあずけられた。叔父さんも叔母さんも、とてもいい人で、僕を喜んで引き取ってくれた。 …なのに、引っ越した夜、「おやすみなさい」と言ったのが、叔父さんと叔母さんと話した最後の言葉になってしまった。 他の親戚の家には、それぞれの事情があり、僕を引き取るのは無理で、今度は、施設に行く事になった。
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