第1章

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人を殺すことに躊躇いはない。何の感情もない。 僕は殺し屋だ。 常連客の赤澤さん。彼は最近、彼女と別れたそうだ。カウンター越しに僕に話しかける。 「なぁ…マスタァー。ひとりは寂しいなぁぁ。」 語尾が伸びてる…酔っ払いだ。 「かなり飲んでますね。赤澤さん。大丈夫ですか?」 ウーロン茶をグラスに注いで渡すと、涙目で僕を見ながら…ぶつぶつと言い始める。 「はっ!マスターはフラれた事なんかないんだろうな。ちっ!世の中不公平だっつーの!」 舌打ちきました。かなりの酔っ払いです。毎度の事なので、タクシーを呼んで乗せて終了。後日、すみませんと言って飲み代を支払いに来る赤澤さん。いい人だ。 この日届いた依頼の指定された人物は知った名前だった。赤澤さんの元彼女。 少し驚いたが依頼は断らない。断った事もない。 振り込みが確認出来たら即実行だ。 「おやすみ。」…永遠に。 赤澤さんの元彼女は次の日、死んだ。
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