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両手で眼鏡の位置を直そうとしていた孝尚にもう一度、唇をふれさせる。
じっと合った、レンズ越しの視線に我慢ができず、机の上に押し倒して鼈甲の眼鏡に噛みついてはずした。
押さえつけた両手。
じっと見つめる、レンズのない孝尚の瞳。
ゆっくりと顔を近付けると唇を重ねた。
深くなっていくにつれ、孝尚の手がはずせと抵抗する。
押さえつけていた両手で孝尚のあたまを掴むと、自由になった手は俺の首にまわり抱きついてくる。
時間も忘れ夢中で口づけを交わし、……そして。
ピリリリッ。
「……はい」
不意に鳴った携帯に、唐突に終わる。
話しながら片手で眼鏡の位置を直し、乱れた髪を整える俺に、孝尚もまた、身体を起こして眼鏡をかけ直す。
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