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「わかりました。
それでは。
……じゃあ、そろそろ行くな」
「……うん。また」
電話を切ると、淋しげな顔をした孝尚に胸がずきんと痛んだ。
「また来る」
「無理、しちゃだめだよ」
「ああ」
心配顔の孝尚を安心させるようにもう一度、軽く口づけして部屋を出る。
駐車場に向かうと、待っていた部下が無言で車のドアを開けた。
「どちらへ」
「事務所」
ポケットの中からシガレットケースを出し、蓋を開けかけて空だったことを思い出した。
「途中でコンビニに寄ってくれ」
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