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「出せ」
「はっ」
ふぅーっ。
不味い。
やっぱり、不味い。
コンコン。
「いるか?」
「んー、信爾(しんじ)?」
ドアを開けた先にいたのは、根暗そうな白衣の、黒縁眼鏡の男。
そいつは試験管の中身を反対の手に持つ試験管に移そうとしているが、……あきらかにヤバい気がする。
「ちょっと待って……うわっ!」
ボン!
お約束通りに試験管の中から煙が上がり、男――孝尚(たかよし)の眼鏡を真っ白に染めた。
「なにやってんだ、おまえ」
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