20人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なんで?」
急に真顔でそんなことを聞かれて、驚いた。
いつも通りにしているはずなのに。
「わかるよ。
どれだけの付き合いだと思ってんの?」
苦笑いの孝尚が両手で俺の顔を掴み、こつんと額をつけてきた。
カツン、同時に当たる眼鏡のフレーム同士。
「無理、しないでね。
確かに僕が実験に没頭できるのは信爾のおかげだけど。
信爾になにかあったら僕、生きていけないからね」
「俺になにかあったらおまえ、生命線絶たれるもんな」
「もう!そんな意味じゃないよ」
ふくれた孝尚に一瞬、唇をふれさせて離れる。
「わかってる。
刺されることがないように十分に気をつけるよ」
「わかってないなー」
最初のコメントを投稿しよう!