私達

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「ん~....よく寝たぁ....」 ご主人様の綺麗な声が部屋に響き渡る。 私達はおしゃべりをすぐにやめる。 そしてご主人様の思う通り、言う通り、指示する通り、正にまるで脳内から伝達を受けているかの如く、何にも逆らわずにそれぞれの役目を果たす。 「今日はどうしようっかな~ピンクとか良いかもな~」 私達は今のこの時間を、顔の下あたりだけでも外気に触れられる伸びきったありがたい今の時間を、少しでも堪能しようと気持ちの良い空気を沢山吸い込んだーーーー。 別にご主人様を恨む気持ちなんかこれっぽっちも無い。 だってご主人様の人生なんだから、私達はそれを彩り、手助け、支えるだけの存在なんだから。 それ以外何にも出来ない、あなたに話しかけることすら出来ない、あなたと意思を疎通することすら出来ない。 だからあなたのエゴだって何だって構わない。 今日もきっと痛く、熱く、苦しく、そして約一ヶ月ほどほとんど息も出来ない状態が私達を襲うのだろう。 永遠に続くかもしれないこの気持ちと、懐かしい思い出と、私達は闘わなければいけないのだろう。 それでも私達を着飾ることであなたが幸せになれるのならーーーー、私達は結局のところそれで良いのかもしれない。 緑色に腐って、カビが生えて、使えなくなってしまうその時が来ないことを永遠に祈りながら、私は姉妹達に向かい優しく声を掛けた。 「また少しの間....おやすみなさい」
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