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再度、構え直し切っ先をマサヴィルに向け威嚇するキズカ。
その荒々しい行為も、マサヴィルにしてみれば面倒臭いだけ。
やれやれとマサヴィルは首を振り、大げさに態度に出している。
「いい加減に名前を呼べよ。職業名で呼ぶなって」
「うるせぇっ!余裕ぶっこいてんじゃねぇ!構えろ!決着つけてやる!」
「やれやれやれやれ。お前が勝てるなど万に一つもない。それでもいいのか?」
立ち上がり、キズカと対峙するマサヴィル。
平穏な村だけに、この手の騒ぎは直ぐに知れ渡った。
マサヴィルとキズカの周りは瞬く間に野次馬で溢れかえった。
「おい!みんなこっち!キズカが喧嘩だってよ!」
「どこの馬鹿だ?キズカに喧嘩売るなんて・・・」
「いや、キズカから喧嘩売ったらしいぞ」
「ほう。そりゃ見物だ」
喧嘩であれば負けなしのキズカであったが、自分から喧嘩を売ることは滅多になかったため、町中
の人がキズカとマサヴィルを取り囲む。
「逃げるなら今だぞ~♪剣士さ~ん♪」
「剣士は敵を前に逃げたりしない!俺はお前を斬る!」
「無理だって~♪止めとけよ~ぉぉぉ~♪」
「ふざけるな!」
そう言われ、歌うのをやめ、真顔でキズカに言うマサヴィル。
「剣士っていっても、見習いだろ?お前は剣士のレベルにない」
「なんだとコラ!なんでそう言い切れる?」
「昨日の動き。それから、その構え・・・」
「なんだよ?」
キズカの質問に歌で答えるマサヴィル。
「素人のほうがマシだぁ♪」
殺気に満ちたキズカとは対照的に、小馬鹿にするようにギターを奏でているマサヴィル。公衆の面
前で辱められたと感じたキズカは、顔を真っ赤にしてマサヴィルを睨む。
「う、うるせぇっ!」
「見習い剣士のお前が、いくら意気込んでも結果は知れている」
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