第二章  ごめんね

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その時でした 自分でも訳のわからないうちに突然 家の廊下で、崩れ落ちるように倒れました 意識はかろうじてあるものの 悲鳴を上げた娘に、 ろくに反応することもできず ただ主人が娘をなだめている声と 私に部屋まで動けるか訪ねている声が 何となく聞こえていました 怠い、痛い、気持ち悪い、寒い めまいがする、何処にいるかわからない浮遊感 とにかく、身体を引きずり、 這いつくばるように2メートルほどを 必死で動き、部屋に入って 急いで主人が広げてくれた布団に 乗ったところで、意識を手放しました 意識を保っていることが これほど苦痛に感じたのは初めてでした
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