第一章 覚醒

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「東京・目黒区に住む16歳の高校生が先日から行方がわからなくなり…」 テレビからニュースが流れる 俺は特に気にもせず食事をする 「そういえば兄さん、そろそろ期末試験があるとか言ってたけど勉強はしてるの?」 「嫌なこと思い出させるなよ…」 こいつは俺の弟の如月遊 俺とは違い進学校に通う、まあ…勉強のできるやつだ なんでこうも兄弟で差が出るのかね;; 「まったく、兄さんはそんなんだからいつも赤点とって補習受けることになるんだよ」 「うっせ」 弟の小言が始まる 「いつまでもそれじゃ死んだ父さんと母さんが…」 「ごちそうさま!!」 話を遮り俺は席を立つ そう、俺は弟と二人で暮らしている 両親はよく聞く製薬会社で働いていたが、実験中の事故で亡くなった 今は保険金と会社からの遺族への補償などで生活しているけど それでもいつまでもお金があるわけじゃない 自分で仕事をしてお金を貰わなければいけないことだってわかってる けれど両親の話を聞くと冷静ではいられなくなる 兄弟二人を置いてなぜとか、会社は何をやっていたんだとか色々考えてしまう ガチャ 部屋のドアを開けベットに横になると携帯のメロディがなった 「RINEか…」 竜ちゃん試験勉強はかどってるかな?良かったら明日一緒に勉強しない? 返事待ってるね^^ 今はそんな気分じゃない、俺は幼馴染のメッセを既読スルーすることにした 「はぁ…何やってんだろうな俺…」 (リーダー、目標地点に到達しました) (よし、A班、___の破壊!急げ追手が来る!) (了解!) ジリリリリリリリ 「ん?…」 8:20分 「やっべ!完全寝坊だ;;」 知らない間に寝てたのか… なんか夢を見ていたようだがそんなことを考えてる時間ではない 俺は簡単な朝食を済ませ学校に行く準備をし家を出た 「いってきまーす」
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