ハロウィンの呪文

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家につくとすでに夕飯の支度をはじめているらしくキッチンからいい匂いがしている。 うちの母さんは毎日の事なのに料理に一切の手を抜かない。 真面目というか、ある意味そういうとこ不器用。 きっとリリはその辺似たんだろうなと予想。 「ただいま」 「悠哉、おかえりなさい。あら一人?」 「あーうん、リリはサクラと一緒」 「ふぅーん、そう」 咲良と一緒だと言うだけで安心したのかそのまま作業に戻ろうとした母さんに、 「それでリリがちょっと遅くなるって」 「まぁそうよね、お友達といるとついつい話し込んじゃうから」 「そういうもん?」 「ふふ、女の子ってそういうものよ。じゃあリリが帰ってきたらご飯にするわね」 「はいはい」 とりあえず部屋に戻るか。 自室に行き制服を着替えるとノートパソコンを開く。 巷ではハロウィンだなんて噂してるけど、特に興味はない。 とはいえ、「最近アイシングクッキーにはまってて」そう咲良が言ってたのを思い出し、ネットで検索してみた。 そういえばリリも子供のころ母さんたちと一緒に作ってたな。 俺はもちろんトリックオアトリート!それを言う専門だったけど。
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