ハロウィンの呪文

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屋敷でむかえたハロウィンには今思えばアイシングクッキーがあった。 確かあの時は咲良も一緒に手伝っていたはず。 今更そんな子供のころの事を思い出すなんて。 今日は感傷に浸りたい気分なのか―――? ~♪ PC横のスマホがメッセージをポップアップする。 ≪ハロウィン用品取り扱いの雑貨屋≫ ≪たまには二人で行ってくれば?≫ 最後に店の名前とURL 続けざまに受信したのは玲斗からメッセージ。 あれから数時間しか経ってないのにもう次の情報くれてるし。 ホントここまで出来るならなんで? まぁ玲斗はアイツなりのやり方があるようだから口出しはしないけど。 それに俺もそれどころじゃない。 自分の目の前の事さえクリアできてないんだから。 せっかくくれた情報だし、店のHP見ておくか。 お礼スタンプ一つ押して、スマホを机に置いた。 周辺情報を一通り確認し終えた時、足音が聞こえてきた。 たぶん、リリだ。 そのまま部屋を出て壁に寄りかかる。 腕を組み、目を瞑る。 ―――ガチャ 「おかえり、リリ」
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