ハロウィンの呪文

6/15
前へ
/188ページ
次へ
夕飯を食べ終わると、まだ挙動不審のリリを放置して部屋に戻った。 これ以上はリリにかまってられない。 来週にはハロウィンがある。今年は平日だから子供の頃みたいに特別なイベントはしないとはいえ、俺も明日の連絡しないと。 ハロウィンは待ってくれない。 机の上のスマホを手に取りメッセージを作成するとすぐに咲良に送った。 ≪面白そうな雑貨屋見つけたけど、明日行く?≫ いや、見つけたの俺じゃないけど。それにハロウィンって言葉を入れないのは……、 ≪行きたい!クッキング用品とかもあるかな?≫ 咲良が探してるのはあきらかにハロウィンで使うものだとわかってる。 もちろんそれがあるのも確認済み。 でも、自分で見たわけじゃないからとりあえず。 ≪かなり広いみたいだしあるかもね≫ 咲良から戻ってきたのは、ケーキ食べて喜んでるキャラのスタンプ一つ。 そのキャラさえ咲良に見えてくるから相当重症だ。 とりあえず明日の咲良の放課後は俺のもの。 たったこれだけの事で明日が来るのが楽しみだなんて。 まるで遠足の前にワクワクする子供と一緒だな。 ホントどうしようもなく。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加