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授業が終わると咲良に声をかけ廊下に出た。
教室でぼんやりしてると、誰かに声をかけられることがある。
教室の少し先の階段前で待機する。とりあえずスマホをいじっているだけで多少のバリアが張られるらしい。
まぁそんなこと気にもかけないヤツもいるが。
「堂地クン、また明日ねー」
声をかけられた方をチラリと見て少しだけ口角を上げて答える。たぶん同クラ女子、名前不明。
「うん、またね」
やっぱり万全じゃない。
とはいえ、咲良の事だから人がほぼいなくなるまで教室から出てこない。
元々のんびりした性格もあるけど、多分それだけじゃない。
あと5分ぐらいか。
一応、リリに連絡入れとくか。
≪わかったー≫
最近のリリはずいぶんとLINEの反応が早くなった。
電源が落ちてても気にしなかったときを思えばすごい進歩だ。
少し前のリリを思いだしているとふと気配を感じ顔を上げる。
「ユーヤくん、おまたせ」
「ん。じゃ行こうか」
俺が先に歩いて咲良が半歩後をついてくる。
これが今の咲良との距離。
まぁ今はこれで。
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