ハロウィンの呪文

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その雑貨屋は玲斗の両親のレストランと同じ駅にある。 学園のある駅からも電車で20分ぐらい。 そこから咲良の家は近いからなんとか理由をつけて帰りは送っていけばいい。 「最近来てなかったけど、結構お店変わってるかも」 駅についてその雑貨屋を目指す道すがらの店を見ては呟く咲良。 俺は興味がないから元々大きい店ぐらいしか覚えてない。 さすがに高級食材スーパーはなくなってなかった。 ここからもう少し住宅地の方に向かうと見えてくるはず。 3階建てビル全部が店で。1階がオープンカフェ。そこで使われている食器が全部店で買えるってのが売り。 しかも焼き菓子なんかで使っている店オリジナルの型も販売してるっていうんだからすごい。多分咲良はこれを選ぶのに30分はかかるはず。 そんなことを想像しながら咲良を店の中に促す。 「とりあえず一通り見て、カフェでお茶して。最後に買い物。」 「うん。楽しみ」 咲良はそれはもうまぶしいほどに目をキラキラさせて頷いた。 そんな笑顔を見てついつい顔を緩めてしまうのは仕方がないことだろう?
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