ハロウィンの呪文

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家に着くとリリは先に戻っていて。咲良は挨拶をするとすぐに夕飯の準備を手伝い始めた。 それを見届けると俺は着替えるため部屋に戻った。 咲良は一緒に行った雑貨屋に今度はリリたちと行く予定だと言う。次はクリスマスのはずだからと。 ま、あの店。リリも好きそうだから次はそうなるだろうと予想してた。 まだ始まったばかり。すぐに次の策を講じればいい。 机の上に置いたアイシングクッキーの包み。 ―――もう堂地君なんて教室で呼ばせない。 誰に入れ知恵されたのか知らないけど、咲良にそんな他人みたいに呼ばれたくない。 むしろ咲良にしか名前で呼ばれたくなくてみんなに苗字呼びさせてるってのに。 「意味ないし」 その包みに付けられたカードを指ではじくと電気を消し部屋から出た。 しばらくするとクルミおばさんも到着してハロウィンパーティという名の食事会が始まった。 要するに、かあさんとクルミおばさんが会いたかったからで。 潤季おじさんは出張で留守との事で、だったら家に来てもらったら?なんて母さん溺愛の父さんが言ったから。もちろん咲良もリリも大賛成。俺は全く意見を聞かれなかったけど。 まぁ。こんなサプライズならたまにはアリだな。
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