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今日も咲良とリリは一緒か。
幼馴染で親戚関係にある相良咲良(サガラサクラ)。
エスカレーター式のこの学園においてはかなり異質の高校から入学した一人。
まさか今更、うちの学園に入学してくるなんて思ってみなかった。
おじさんがかなりの過保護で咲良を徒歩圏内の女子高に入れると思ってた。
だから入学式の日も自分のクラスを確認して教室に入っただけ。
まさかそこで。偶然同じクラスになった俺に咲良は無邪気に話しかけてきて―――。
すでに出来上がった世界に外部入学の咲良は色んな意味でかなり浮いてたはずで。
この一件でクラスの女子との溝が一気に深くなった。
しかも「親同士がイトコで幼馴染だ」そう言った俺の言葉もそれを増長させたらしい。
高校生・イトコ・幼馴染
そのキーワードは女子の好物で、仲良くすることでは守ってやれないことを知る。
俺が話しかけずに孤立する咲良を見るのも。
俺と話して周りに好奇の目で見られるのも。
「堂地クン、またあしたー」
「あー(また、かよ)、うん」
条件反射でいつもの顔を作って見送る。
名前もわからないその人を。
いい加減ウンザリだ。
こんな自分、にも。
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