かわいいの呪文

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とっとと帰ろ。 またここに居たら誰に話しかけられるかわからない。 付き合いは大事だからそこは適当にするけど、一人でいる方がいい。 もともとあまり人とつるむのは好きじゃない。 ~♪ 今度は通常のLINEの通知音がなる。 チラリと見えた名前を確認すると安心してタップする。 幼馴染の神代玲斗(カミシロレイト)。 父親同士が親友で子供のころからの家族ぐるみでの付き合い。 学年は一つ下だけど、生まれ年は一緒。 今日咲良たちが行った店の情報元で、玲斗の父親はレストランのシェフで本人もスイーツ好きで色んな情報をくれる。 両親とも美形で当然一人息子の玲斗もその遺伝子を色濃く受け継いでる。 察するに、一番俺と近い人種。 ≪今度は何系がいい?≫ ≪まだわかんね≫ ≪この前は正統派だったから今度はちょっと変わったのにするか≫ ≪そうそう、この前の早速今日行ったらしい≫ ≪へー、早いな≫ あの店、咲良にっていうよりリリに、だろうな。 正統派のカフェだったし、学園祭でみたようなアフタヌーンティだすとかHPにかいてあったしな。 というか、玲斗もまどろっこしいことしてないでリリと行きゃいいのに。 ほんと不器用。 お前も、俺も。
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