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「響ちゃん、いつまで見てんの?」
鏡越しに声をかけると響が振り返って目尻を下げて笑う。
「だって…嬉しいんだもん」
響はかれこれ30分は眺めてるだろうか。
正直、こんなに喜んでくれると思わなかった。
「そっか、なら良かった。ねぇ響…一緒に風呂入ろっか?」
「えっ?…やだ…」
「言うと思った、いーじゃん今日くらい。ここの風呂、広いよ?」
「そういう問題じゃない…」
「じゃ、どういう問題?」
「明るいから…恥ずかしいもん」
そんな台詞、バスタオル姿でよく言えたもんだ。
僕は込み上げる笑いに耐えられなくて、噴き出しながら響の事を抱き寄せた。
あぁ…もう、可愛くて仕方ないんだ。
恥ずかしがる姿も、すぐ赤く染まる頬も、何気ない一言も、全部が色鮮やかに見える。
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