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ソファーに座る後ろ姿に顔を寄せて耳元に口づけた。
「ひーびき」
「わぁっ!」
肩を震わせて驚いた響の頬にもう一度キスを落とす。
「ちょっ…こうたろ、何すんの」
「は?キスに決まってんだろ」
回した腕からするりとすり抜けて嫌そうな顔で僕を見上げたのは、僕の可愛い可愛い彼女。
「…っ、そういうの突然するのやめてよ」
「突然しないで、いつすんだよ」
響の頭を揺らしながらそう答えると、いつまで経っても減らない口がまた開いた。
「だから、こういうのが嫌なの!」
僕の手を払って向こうに行こうとする腕を掴む。
「ちょっ、待てって」
間髪入れずに抱き寄せて腕の中に閉じ込めると、ぽすんと収まった響は観念したのか大人しくなった。
「ねぇ、響。僕のこと…好き?」
「…好きだけど」
「だけど、何?」
「…何でもない」
僕の彼女は極度の恥ずかしがり屋さんだ。
付き合い始めてからもう半年が経とうとしているのに彼女はいまだに慣れないらしい、この甘い暮らしに。
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