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「もうっ…浩太郎がいると本当に落ち着かない!」
減らず口が僕の腕の中でまた口を開いた。
「そうなの?僕は響がいて落ち着くけど」
この暮らしにも、甘い香りにも、仕事から疲れて帰っても日々癒されている。
「どうして勝手に引っ越してきたの?」
「だって、響と一緒に居たいから」
聞かれた質問に正当に答えると、腕の中の響は盛大な溜め息を吐いた。
「毎日こうたろがいると…やだ」
「なんで?」
「…緊張するから、ゆっくり休めないんだもん」
「なんだそんな事か、まぁそのうち慣れるよ」
響は僕のことが大好きみたいだ。
そして、僕は口角を上げて微笑む。
「じゃ、そろそろお風呂入ろっか、響」
「やぁだ!今日は絶対に一緒に入らないから!」
僕の腕から抜け出して響は書斎に閉じこもってしまった。
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