1314人が本棚に入れています
本棚に追加
/285ページ
「おいひー…」
隣でマカロンを頬張っている響を眺める。
「こうたろも、いる?」
「いらない」
食べている顔に手を伸ばして響のかけている眼鏡を外した。
「あっ…」
「眼鏡、してない方が可愛い」
僕と付き合い出してから、響は恐ろしいほど綺麗になった。
いや、元々綺麗な顔立ちはしていたし悪くなかったけれど、とにかく垢抜けたのだ。
そして僕は、そんな響に心配事が増えて困っている。
まずは、クリニックに新しい医者が入ってきた。
それも男。
それも結構なイケメン。
ちなみにこれは、クリニックのホームページで確認済み。
もう一つは、あの例の男、渡辺だ。
響が学会に参加すると言った日曜日、僕は嫌な予感がして学会の会場まで迎えに行った。
そして、渡辺と話している所を目撃。
すかさず登場、笑顔で挨拶をして響を連れて帰ってきた。
そう、どれも僕のヤキモチだ。
まぁ、響は僕のことが大好きだから、本当の所はそんなに心配はしていないけれど。
最初のコメントを投稿しよう!