ヤバい

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フラフラ 「大丈夫ですか咲真お嬢様…」 「平気……あはは…」 「足元がおぼつきませんね…」 フラッ 「んっ」 ガシッ 「おっと……」 「ありがとう…ふふふ…フラフラするの…フワフワしてね…」 「咲真お嬢様…」 「ん?…何………」 「何でもございません…」 「変なの……クスクス」 スウッ ガチャ 「さあ…お嬢様のお部屋です。もうお休みになって下さい」 「もう寝るの……」 「もう10時を過ぎて居ります。明日はお出掛けになられるのでしょう…?」 「明日……そうだっけ……」 「お手洗いを済ませたらお休みになられて下さい」 グイッ 「龍哉も一緒に居るの!」 「えっ…お嬢様……」 「トイレに行って来るから龍哉はここで待っててね」 タッ 部屋に連れて来られた咲真は、龍哉を自分の部屋に残してトイレに行った。 「……っ……」 ワインの香りでも嗅いだのか… だからあんなに酔って… トンッ 「!!」 「お待たせ…えへへ」 「咲真お嬢様…」 「龍哉も私とキスしたいの…?」 「えっ…いいえ…その様なことは……思って居りません」 「………私が眠るまで手を握っててくれる…?」 「わ…わたしが…ですか……」 「うん…龍哉がいいの」 「分かりました」 スウッ フアサッ 「龍哉…手…」 「あ…はい…」 スウッ ギュッ 「おやすみなさい」 「おやすみなさいませ」 戻って来た咲真はベッドに入ると、龍哉に手を握ってもらい目を閉じる。 龍哉は咲真の手を握らなければならない為、ベッドの真横にしゃがんだ。 「……………」 眠ったらそっと電気を消して部屋を出ればいいか…… アルコールに弱くてキス魔になると言う… 俺達男としてはラッキーと言うか… 本人は記憶がぶっ飛んでるからな…ちょっと残念でももあるか…… 何か瞬我の弟の口振り…咲真とキスしたな… いい思いしやがって…たくっ… 眠っている咲真を見ながら龍哉はそう思っている。 暫くして咲真が眠ったのを確認すると、龍哉は咲真の握っていた手を放して布団を掛け、部屋の照明を消して後にした。
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