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同じく病気を患っているおばあちゃんを持つ私は、ファンちゃんの気持ちもわかる。
「え?
でも、お爺ちゃんの病気を治せるのはメイコウ様しかいないってナルミさんが言っていたもの。」
ナルミさんもメイコウさんと比べれば、まだまだ半人前の薬師。
ナルミさんの手に余る、病気ってことはメイコウさんにお願いするしかないだろう。
「じゃ、そのメイコウさんに私たちも同行するからもう1度行ってみる?」
ユーリーさんの提案だ。
だけどメイコウさんは首を縦に振らないだろう。
私の時もそうだった。
メイコウさんは、病人を放っておくようなまねをさせない人だ。
私は未だ、同じ町に住んでいるから空き時間に薬草のことを教えてもらえるけど、弟子にはしてくれない。
「うん、行く。」
元気な返事が返ってきた。
「おやじさん、ミドリックへの定期便は急ぎではないですよね?」
ユーリーさんが声を上げると、おやじさんが、
「まぁ、急ぎではないぞ。」
ファンちゃんの一件を見ていたのだろう。
そんな時だった。
入り口のベルが低い音を響かせたのは。
そこには、喧嘩でもしたのだろうか?
金シャチさんが、顔を腫らして戻ってきたのだった。
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