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ユーリーさんが経緯をかいつまんで話す。
「なるほどね。」
メイコウさんは、ファンちゃんに視線を落し、ファンちゃんの両肩を掴み、屈んで同じ目線になって言い放った。
「何度来ても同じよ。
あなたは薬師になるにはまだ早いわ。
私はあなたを弟子にするつもりはありません。
今は先ず、病気のおじいちゃんの下で暮らすのが一番ですよ。」
文字通り小さな子に言い聞かせるように話すメイコウさん。
やっぱりね。
私も同じことを言われた。
私でもまだ早いって。
でもでも、ナルミさんはメイコウさんの弟子になって久しいと聞く。
なぜ、弟子にしてくれないのかな?
私自身も疑問符を浮かべながら、成り行きを見守っていた。
「早いと判断するのはどういう基準からでしょうか?」
ユーリーさんが、メイコウさんに尋ねる。
そうそう、私も知りたい。
「年齢的にもまだ若いですからね。
それに今お爺ちゃんが病気なのでしょう?
薬師になるのは一朝一夕でなれる物ではありません。
何年もかかるの。
その間おじいちゃんと離れて暮らすことになります。
そんなことが良いとは私には思えません。」
メイコウさんはそのまま視線だけをユーリーさんに向けて言った。
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