第1章 小さな出会い。

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「私も同感です。 今はおじいさんに付き添ってあげるのが一番ですよ。」 ユーリーさんもファンちゃんの頭に手を置いて、同意する。 ファンちゃんは2人にそう言われると、「う~ん。」とうなりだす。 今にも頭から、煙が出そうな雰囲気だ。 「もし、おじぃさんの容体が悪化したらどうするんです? あなたが傍にいないとおじいさんも不安になるのでは?」 ユーリーさんが、さらに追い打ちをかける。 「う~ん、確かに。」 ファンちゃんは想像できないのだろう。 おじいちゃんの容体が悪化した時のことを。 幸か不幸か、私はおばあちゃんが危篤状態に陥った時を知っている。 それでもおばあちゃんは、私に冒険者の道を示してくれた。 だから、覚悟はできている。 でもでも、ファンちゃんはそんなこと想像もつかないのだろう。 「傍で付き添い、看病してあげるのが一番の薬だと思いますよ。 私たちが送りますから、一緒に戻りましょう。」 ユーリーさんが、さらに言葉を重ねる。
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