第1章 小さな出会い。

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パーティの財布を作ってから、なんだかんだと結構便利に使っている。 なんだか安心して旅ができる。 これは結構いいと思う。 私も、おばあちゃんの薬代と生活費のことだけ考えていればいいから、その方が安心できる。 さて、そろそろメアリーさんたちも戻ってくる頃だね。 金シャチさんは……気紛れだからなぁ。 私がそんなことを考えていると、扉が低い音を奏でた。 真っ白な翼に、堀のきれいな顔立ち……あれ? その頬は、少し赤くはれているように見えた。 「メアリーさ……。」 私が言いかけた時、さらに衝撃なものが目に留まったのだ。 それはメアリーさんの服をしっかりつかんだ女の子。 キョロキョロとして落ち着かない様子は、初めて酒場に入った証拠だ。 誰だろう? メアリーさんは当たり前のように、指定席へと足を運んだ。 「……。」 しばしの沈黙。 ユーリーさんも、目を丸くしている。 しばしの沈黙の後、口を開いたのはユーリーさんだった。 「メアリー誰ですか? その子は?」 核心をつく一言。 私の疑問も同じだ。 すると意外と、女の子が自己紹介を始めた。 「ファンの名前はファンです。 ミドリックでおじいちゃんと2人暮らしをしています。 けどおじいちゃんが病気になっちゃって。 ファンはこのダイナゴヤの薬師、メイコウ様の弟子にしてもらいに来たんだ。 けど、メイコウ様はファンにはまだ早いって。 でもメイコウ様がうんと言ってくれるまで、ミドリックに帰らないわ。 ファンが立派な薬師になっておじいちゃんの病気を治すんだ。」 一気に言い切った。
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