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パーティの財布を作ってから、なんだかんだと結構便利に使っている。
なんだか安心して旅ができる。
これは結構いいと思う。
私も、おばあちゃんの薬代と生活費のことだけ考えていればいいから、その方が安心できる。
さて、そろそろメアリーさんたちも戻ってくる頃だね。
金シャチさんは……気紛れだからなぁ。
私がそんなことを考えていると、扉が低い音を奏でた。
真っ白な翼に、堀のきれいな顔立ち……あれ?
その頬は、少し赤くはれているように見えた。
「メアリーさ……。」
私が言いかけた時、さらに衝撃なものが目に留まったのだ。
それはメアリーさんの服をしっかりつかんだ女の子。
キョロキョロとして落ち着かない様子は、初めて酒場に入った証拠だ。
誰だろう?
メアリーさんは当たり前のように、指定席へと足を運んだ。
「……。」
しばしの沈黙。
ユーリーさんも、目を丸くしている。
しばしの沈黙の後、口を開いたのはユーリーさんだった。
「メアリー誰ですか? その子は?」
核心をつく一言。
私の疑問も同じだ。
すると意外と、女の子が自己紹介を始めた。
「ファンの名前はファンです。
ミドリックでおじいちゃんと2人暮らしをしています。
けどおじいちゃんが病気になっちゃって。
ファンはこのダイナゴヤの薬師、メイコウ様の弟子にしてもらいに来たんだ。
けど、メイコウ様はファンにはまだ早いって。
でもメイコウ様がうんと言ってくれるまで、ミドリックに帰らないわ。
ファンが立派な薬師になっておじいちゃんの病気を治すんだ。」
一気に言い切った。
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