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つまりこの子は、病気のおじいちゃんのために薬師になるためダイナゴヤに来た。
そう言うこと?
でも……。
「ご丁寧にどうも、私はユーリーよ。」
にっこりほほ笑んで、ユーリーさんが名乗る。
するとファンと名乗る女の子は、表情が明るくなり「あの正義の味方、陰陽のゴットソルジャーのユーリー様ですか?」
と、前のめりになりユーリーさんに近づいていく。
「そ、そうですけど。」
ユーリーさんもファンちゃんの勢いに圧倒されている。
「本物ですか! 握手してください!」
ファンちゃんは、ユーリーさんに握手を求める。
ええ、あのユーリーさんがファンちゃんの勢いに押されている。
しかもその視線は私に助けを求めているものだった。
いや、ここは私で何とかなるわけないじゃないですか。
そうだ、寝たふりをしよう。
私はコックリコックリとうたた寝している真似をする。
「向こうはトモリよ。」
ユーリーさん、そんなこっちに振らないで。
ファンちゃんは、瞳を輝かせながら、「トモリさんですか?
握手してください!」
と手を出してきた。
私は無下にもできず、握手をする。
そう言えば今まで気付かなかったけど、この子、バックパックを背負っている。
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