第1章 小さな出会い。

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そう言えばさっきミドリックに住んでいるって言ってたっけ。 という事はミドリックからこのダイナゴヤまで1人できたという事? そんな危険な旅を? 「その心意気は買うけど、おとなしく帰った方がいいわね。 ミドリックにも薬師はいるのでしょう?」 ユーリーさんの言う通りだ。 私が言えることではないけど、病気のおじいちゃんがいるなら、そばで看病するのが1番じゃないかな? 「ナルミさんの事ですか?  でも、ナルミさんの師匠はメイコウ様と聞いています。 だからメイコウ様の所に来たの。」 ファンちゃんが食い下がる。 う~ん、ファンちゃんの話も分からなくもないけど……。 「もう少し、ミドリックで経験を積んでからいらっしゃいな。 ミドリックでもやれることはあるはずよ。 ちょうど私たちも、ミドリックへ行く用事があるの。 なんだったら送るわよ。 憧れの陰陽のゴットソルジャーとミドリックまで旅ができますね。」 ユーリーさんの言うとおりだと思う。 けど、ファンちゃんの気持ちもわかる。 メイコウさんはこの近辺で、とびぬけた実力の薬師。 私だって、メイコウさんの弟子にしてもらえるならしてほしいと思う。 ただ今は、薬を買うお金を稼ぐことの方が大事なだけ。
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