プロローグ

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彼女と同じサークルに入りたいという願望は絶たれ、すっかり肩を落とす僕に奇跡が舞い降りる。 渚も「桜研究会」に入っていたのだ。 僕は喜びに満ち溢れて、なんとか渚と仲良くなろうと試みる。 サークル活動をしていく中で自然と渚に話しかけられるようになり、更にサークル以外でも渚と話す機会が増えていった。 それから、一年くらい経った時、僕は思い切って彼女に告白をしたんだ。 僕の告白を彼女は受け入れてくれて、渚は僕の恋人になった。 後で知ったことだけど、渚はもっと早くに告白をして欲しかったらしい。 ◯ 別に入りたくて入った訳ではなかった「桜研究会」だけど、僕は思いのほか活動に力を入れていた。 渚も僕と同じようにサークル活動に積極的だった。 二人でよくあちこちの桜を見に行ったのを覚えている。 中でも大学から近距離にある堤防の上の桜道は一番よく出掛けたところだ。 堤防の桜道はサークル活動に関係なく、ただ二人で桜を見に出掛けることもあった。
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