プロローグ

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それくらい僕らにとって、そこは大事な場所となっていたんだ。 僕は渚と桜を見る時間が好きになっていた。 渚も僕と桜を見るのが好きだと言ってくれたことを今でもはっきりと覚えている。 桜を見ながら、よく色々なことを話した。 過去、現在、そして未来のことを… 僕はあの頃、未来に渚といるビジョンを描いていた。 そして、渚もきっと同じ気持ちでいてくれると信じて疑わなかったんだ。 でも、実際は僕の未来には渚はいなかった… ◯ しばらくして、互いに就活で忙しくなった。 何日も会えない日々が続いた。 会いたいけれど、就活が上手くいなかないもどかしさが、それを拒ませた。 それでも、このままじゃ駄目だと思い僕は無理に彼女と予定を合わせ、会うことにしたんだ。 でも、互いに余裕がないことが災いして、些細なことから喧嘩になってしまう。 それから、何日も渚と会わなくなった。 それどころか連絡すら取らなくなった…
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