この世の果て

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「お、太郎じゃん!」  振り返ると、ニヤリと歯を見せた男子生徒が私に向かって何かを投げてくる。  すると、ソレは私の足元に落下してパサリと虚しい音をたてる。 「お前にもやるよ!」  やるよって、自分のモノでもないくせに……。そう思いながら、私は腰を曲げると足元のソレを拾う。 「もっとあんだろー? お坊ちゃん!」 「そーだよ! もっと持ってんでしょー! キャハハ!!」  舌っ足らずの気持ち悪い喋り声。キンキンと響く下品な笑い声。  耳に膜を張るイメージをすると、もう何も聞こえない。そうやって、何も聞こえないフリをして拾い上げたソレを懐にしまう。  __そうしないと、次は私の番だから。
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