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本当ならそれほど時間をかけずに大学にはたどり着くはずが、いつもより時間がかかったように思う。
俺たちが自分たちも遺能者だと言ってしまえば早かっただろうけど、今はまだ話すわけにはいかないと判断した。
大学の裏門付近には既に2人の姿が見えて、その2人も遺能者であることが情報の能力でわかり、やっぱり助けにきたのかと思う。
“尚人、そこの2人左側がOタイプで能力は障壁、右側がIタイプで能力は探知。2人はパートナーではないから、自分たちのパートナーを助けにきたのかもしれない。”
“なるほど。ありがとう。上手く欲しかった能力があってよかったよ。”
先頭を走っていた菊雅が裏門にいる2人を見つけて声を掛けている。
どうやら話が纏まったらしく、菊雅が2人を連れて俺たちのところに戻ってきた。
「2人も自分のパートナーを助けに来たんだって。一緒に助けに行くことになった。」
「但馬臣春(たじま おみはる)、能力は障壁。よろしく。」
「菱沼楓亜(ひしぬま ふうあ)です。能力は探知です。よろしくお願いします。」
2人が自己紹介をしたために俺たちも自己紹介をすることにした。
「日向達昭、能力は隠密です。よろしく。」
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