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流石に敷地内に破壊の能力を使って、大きな穴を開けてしまうわけにはいかないだろう。
一般人が出入りしているのであれば、どこかに出入り口があると考えるのが普通だ。
それに、このメンバーの中には俺を除いて、破壊の能力を使える人はいない。
“尚人、ある程度行ったら何かに紛れて透明化で先回りするのもありだよな?”
“そうか!その手があった。瑞樹、どこかで透明化で乗り込んで助けよう。”
地下への入り口を見つけた後に俺たちは別行動を取るのが一番だろうと考えた。
慎重に周りを警戒しながら地下へと繋がる入り口を探していく。
敷地内を歩き回っていると、違和感を感じるプレハブがあることに気づいた。
「なぁ、これ怪しくないか?」
「ここ、部屋の奥に地下へと続く階段がある。ここかもしれない。」
そっとそのドアノブを回して開けてみると、鍵はかかっていなかったようで簡単に中に入れる。
中は真っ暗ではあったけれど、一箇所だけ四角に明かりがもれている場所があった。
おそらくそこを開けると地下へと続く階段が出てくるという仕組みだろう。
「菊雅、俺たちはここで待つよ。誰か来たら逃げるけど、それまではここで待ってるから。」
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