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怯えながら嫌がる声と、それをかばうようにして相手に怒鳴る声が、部屋に響き渡る。
「お前らこそ人間じゃないだろ?人間はお前らみたいな力を持ってないからな。調べてやるって言ってんだ。大人しく研究されてりゃいいんだよ!」
研究員の1人が部屋の中にいる遺能者の新入生に対し、見下すような言い方で言い捨てた頃、部屋の前の物陰で息を潜める4人のうちの2人に異変が起き始める。
菊雅はパートナーと一緒にいるため無事で、門で合流したうちの臣春と楓亜が苦しみだし、達昭は今のところはまだ何ともないようだ。
“尚人、これ以上は危険だ。あの2人のパートナーがたぶん相当な薬の量を打たれてる。”
“仕方ない。このまま撹乱して、あいつらを助けよう。”
隠密と透明化の能力を使いながら、最大スピードで動いて室内にいる研究員を気絶させ、時間がないことから仕方なく研究員を放置したまま捕らえられている5人の学生を大学から離れた場所にある公園の芝生の上に尚人と交互にテレポートで移動させる。
ついでだからと部屋の外で固まっていた、動けなくなっている行動を共にしてきた学生も一緒に公園へとテレポートで連れ出した。
同時に蓮司さんにテレパシーで公園の芝生へと研究員に捕らえられ、薬品を投与された遺能者の学生たちを移動させたことを伝える。
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