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状態を見た俺たちはひとまずこの場を離れたほうがいいと判断し、近くのファミレスに行くことにした。
俺と尚人が隣合って座り、向かい側に一緒に来た2人が座って先に自己紹介をする。
顔色の悪い方が日向達昭(ひゅうが たつあき)、付き添っていた方が牧谷菊雅(まきたに きくが)というらしい。
それぞれ名前呼びでいいと言われたため、同じく自己紹介をし、こっちも名前呼びでいいと伝える。
「哲也って友達?連れて行かれたってこと?」
周りには今のところ誰もいなくホッとする。
「うん・・・友達ってのとはちょっと違うけど。」
「異常が出たほう?それとも出したほう?」
菊雅が達昭から情報を聞き出す。
少しずつだけど、なんとなくわかってきた気がする。
哲也という人物は遺能者ではないかということだ。
そして目の前にいる2人も間違いなく遺能者であることは俺にはわかる。
「・・・出したほう。どうしよう・・・俺、あいつ守るって言ったのに、哲也に何かあったら・・・。」
「守る?どういうこと?話してくれないと俺らだって何も出来ないだろ。せっかくこうして出会ったんだ。何か手伝えることがあるかもしれないじゃないか。」
この2人が気づいてないことを自ら教えるわけにもいかず、俺たちは遺能者ではないふりをする。
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