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擬態に隠密か・・・と考えていると俺と尚人にも話が来た。
聞かれるまでもなく一緒に行く気でいたけれど、2人の能力だけでは明らかに足りないのはわかる。
「俺たちはどうするか。足手まといにならない自信はあるけど役に立てるかわからない。それより連れて行かれた人たちがどこに行ったかわかるの?」
「そこなんだよ。俺ら2人じゃ探せないし早くしないと何かされるだろうし、KIGSISに要請出すって言っても俺らじゃトップに届くまで時間かかっちまうだろうし。」
上手く話を逸らした尚人の問いに考え込む菊雅は、この様子だと敵ではないだろうと判断する。
あれ?あそこって全ての判断はトップがすんのか?
うわぁ、まじか。
かなり面倒な立場じゃないか?トップというだけでも面倒ではあるんだけど。
トップに話を通すのは容易いけれど、捕らえられたのは全部で5人、そのうちの1人が達昭のパートナーであるのなら、他の遺能者たちのパートナーなり俺らのように捕らわれなかった友人が助けようとしている可能性もある。
「要請の必要はないかもしれない。他の捕らわれた遺能者たちのことを知る人が助けようとすると思うんだ。時間は夜のほうがいいとは思うけど他がいつ動くか。出来るだけ目立つ色の服は避けて、とりあえず今夜9時に大学の西門前に集合にしようか?」
「う、うん?」
「わかった。行くだけ行ってみるか。」
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