裸の王様

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むかしむかし、とある国のある会社に社長が居ました 社長は新しいネクタイが大好きで、ネクタイを買うことばかりにお金を使っていました。社長の日課といったら、いつも新しいネクタイをし、自慢するため社内を歩くことでした。 社長は「ネクタイしてないと、なんとなく気持ちが落ち着かないのも事実なのです」(2016/10/26 22:10) といい、寝てるときも、お風呂に入ってるときもネクタイを欠かさず愛用していました。 ある日、二人の詐欺師が会社にやって来ました。二人は人々に、自分は布織り職人だとウソをつきました。それも世界で一番の布が作れると言いはり、人々に信じこませてしまいました。 「とても綺麗な色合いと模様をしているのだけれど、この布は特別なのです。」と詐欺師は言います。「バカな人には透明で見えない布なのです。」とさらに詐欺師はつづけます。 社内で大変な噂になって、たちまちこの珍しい布の話は社長の耳にも入りました。 社長は金を沢山用意し、詐欺師に渡しました。このお金ですぐにでもネクタイを作ってくれ、と頼みました。詐欺師はよろこんで引き受けました。部屋に機織り機を二台ならべて、すぐに仕事にとりかかりました。でも、機織り機には何もありませんでした。糸もありません。それでも、詐欺師は一生懸命、布を織っていました。いいえ、ちがうのです。本当は布なんてどこにもなくて、からの機織り機で織るふりをしているだけなのです。
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