Night garden

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外は満天の星空だった。どこまでも続く世界。どこまでも見渡す限りに広がる星々。 暗い夜の世界に、彼の眩しい光が迸る。 いくら彼が不満そうだとしても、その体は美しく光る。 一人。 世界に一人。彼の側には誰も居ない。ただ広く美しい世界に一人で、彼はゆっくり歩き出す。暗い世界の中をゆらりゆらりと。 誰かを求めてゆっくり歩く。はるか彼方に人が居ることは知っているが、彼はその人達とまみえることは無い。遠い遠い世界のむこうに居るからだ。 彼の手が届く範囲に居る人は皆知っている。彼らだけにしか会うことは出来ず、死ぬまで新たな出会いは無いのだ。
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